就労移行支援 キズキビジネスカレッジ(KBC) うつ病の休職で利用できる支援制度 傷病手当金の条件・申請方法

こんにちは。就労移行支援事業所・ キズキビジネスカレッジ(KBC) です。

うつ病で休職する場合、まず不安になるのが生活費や治療費などにかかるお金のことでしょう。

休職するときに受けられる金銭的な支援や給与保障には、大きく分けて以下の2種類があります。

  • 健康保険から受けられる傷病手当金
  • 勤務先独自の休業手当・給与保障(※制度がある場合のみ)

このコラムでは、うつ病で休職する人が受給できる可能性の高い「傷病手当金」の受給方法や期間・手順を中心に、それぞれの支援の内容について解説します。

傷病手当金を受給したいうつ病のあるあなたへ
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定着率

95%

大手平均:90.1%

一般雇用率

58%

大手A社:14%

就職までの
最短期間

4ヶ月

就労移行支援利用による就職までの平均期間:15.9か月

  • ※各種グラフは、厚生労働省及び大手就労移行支援事業所HPの公開情報をもとに、株式会社キズキで作成
  • ※KBCは2020年9月1日〜2025年11月1日の集計データ

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うつ病で休職するときの確認事項とお給料について

この章では、うつ病で休職するときの確認事項とお給料について解説します。

休職制度について確認しよう

うつ病が原因で仕事を休みたい場合、まずは勤務先に休職制度があるか確認しましょう。

休職制度を利用すれば、会社を退職することなく治療に専念することができます。

休職できる期間や退職になる条件、手続きの流れは会社により異なり、就業規則で定められています。

不明点がある場合は、労務を担当する部署、または直属の上司にあらかじめ確認するのがオススメです。

休職中のお給料の支払いについて

休職制度の確認ができたら、併せて休業手当の制度があるかについても確認しましょう。

一部の企業では独自の福利厚生や社内規定により、休職開始から一定期間基本給の一部が補填されたり、傷病手当金に上乗せして手当が支給されたりする場合があります。

ただし、こうした独自の給与保障を設けている会社は一部に限られており、休職中は無給となるのが一般的です。

そのため、休職中の収入保障としては後述する「傷病手当金」を利用するのが基本となります。

会社の休業手当がない場合は傷病手当金を利用する

勤務先に独自の休業手当・給与保障がない場合は、傷病手当金制度を利用しましょう。

傷病手当金は公的社会保険の制度で、会社の「健康保険(協会けんぽ、組合健保など)」に加入していれば受給資格があります。

うつ病の原因が業務外(私生活など)にある場合に対象となり、最長で1年6か月の間、手当金を受け取ることができます。

傷病手当金の受給にあたっては、後述する受給条件を満たしていることが必要となります。

うつ病で休職する場合の確認事項は、以下のとおりです。

  • 勤務先に休職制度があるか確認する
  • 勤務先で独自の休業手当があるか確認する
  • 社会保険料や税金の支払い額を確認する
  • 労災の申請が可能かを調べる(業務内や通勤中に発生した場合)
  • 職場との連絡手段を確認する
  • 家族に連絡・相談する

うつ病で休職する場合の確認事項については、以下のコラムで詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

うつ病の休職で傷病手当金はもらえる?

うつ病で休職する場合、一定の条件を満たしていれば、傷病手当金を受給することは可能です。

傷病手当金を受給することで、休職後の経済的な負担や心理的な負担を和げることができれば、うつ病の治療に専念することができます。

新規で申請を行う場合に加えて、症状が再発した場合に2回目以降の受給ができるケースもあります。

傷病手当金とは?

傷病手当金とは、病気やケガ、障害のために仕事を休み、事業主から十分な報酬を受けられない場合に、健康保険(社会保険)の加入者・被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた支援制度のことです。
(参考:全国健康保険協会 「傷病手当金」 、全国健康保険協会 「傷病手当金について」 )

申請は、加入している全国健康保険協会や各健康保険組合、各共済組合で行えます。

会社員等として勤務している場合は基本的に労務を担当する部署を経由して申請を行うため、受給したい場合は相談してみましょう。

傷病手当金の受給条件

傷病手当金の主な受給条件は、以下の5つです。

  • 健康保険(社会保険)の加入者・被保険者
  • 業務外の病気やケガ、障害による療養での休業
  • 就労できない状態を医師に認定されている
  • 3日間連続での休業を含めて、4日以上就労できない状態
  • 休業期間に給与の支払いがない

まず、会社員や公務員などが加入する「健康保険(被用者保険)」の加入者であることが条件です。自営業などが加入する国民健康保険は対象外となります。

次に、業務外の病気やケガ、障害による療養のための休職であることが求められます。業務上や通勤中の理由は労災保険の対象となり、美容整形などは支給対象外です。また、「就労不能」の状態について医師の客観的な認定(申請書への意見記入)が必要で、自己判断での休業では受給できません。

さらに、連続して3日間休んだ(待期期間)うえで、4日目以降も働けない状態である必要があります。待期期間には有給休暇や土日などの公休も含まれます。

最後に、待期期間を除く4日目以降の休業期間に給与の支払いがないことが原則です。有給休暇などで給与が一部支払われている場合でも、傷病手当金の額を下回っていればその差額が支給されます。

実際に申請する際は、加入している健康保険組合や協会けんぽのwebサイト等で条件を確認しておくとスムーズです。

傷病手当金の受給期間

傷病手当金の最長の受給期間は、原則として1年6か月です。

(参考:厚生労働省 「第7回 こころの病で再休職した場合、傷病手当金を再度支給できる仕組みはあるの?」 、SMBC日興証券グループ健康保険組合 「よくある質問」 )

傷病手当金の受給期間は通算でカウントする仕組みになっており、トータルで1年6か月以内まで受給できます。(2020年7月2日以降に受給を開始した場合)

例えば、待機期間を含めて2か月休んで受給した後、1か月出勤して、再度休んでも1年4か月までは傷病手当金を受け取れます。

2022年の法改正前は、初回受給から1年6か月の間に復職して受給を中断した期間があっても、その働いた期間まで受給期間に含まれて消化されてしまう仕組みでした。

つまり1度仕事に復帰して、再び働けなくなった場合、実際に受給できる期間は1年6か月よりも短かったということです。

そのため、2020年7月2日以前に傷病手当金の受給を開始した人は、従来と同様に最長1年6か月までしか受給できないので注意してください。

なお、通算で1年6か月以内という期限は、あくまで同じ病気・ケガ、障害の場合です。

病気Aで1年6か月間休業して復職した人が、その後ケガBで休業することになった場合は、新たに1年6か月の受給期間が設けられます。

しかし、病気Aで1年6か月間休業して復職し、再度病気Aにかかった人も、1回目の病気Aが完治していると認められれば2回目も受給が可能です。

また、株式会社αで勤務中に病気Aを発症した人が、株式会社βへ転職後に再び病気Aを発症したケースも同様です。

健康保険が変わっても完治ではなく再発と見なされれば、通算で1年6か月以内の期間内は再受給できます。

復職したからといって完治と判断されるわけではないので注意してください。

ここで言う完治とは、通常の社会生活に復帰した社会的な完治を意味します。以下の場合は、社会的な完治とは認められません。

  • 本人が完治したと主観的に感じているだけの状態
  • 医師が完治したと診断しただけで、まだ社会生活に復帰していない状態

傷病手当金の受給金額

傷病手当金は基本的に、受給給開始日以前の12か月間の各標準報酬月額を平均した額を30日で割った金額の2/3が受給金額です。

傷病手当金の受給金額は、以下のように算出されます。

  • 受給開始日の以前12か月間の各標準報酬月額の平均額÷30日×2/3

受給開始日は、傷病手当金が最初に支給される日のことです。

標準報酬月額とは、基本給・残業手当・役付手当・勤務地手当・通勤手当・住宅手当・家族手当など、毎月の給料を一定の金額ごとに1〜50の等級に区分した金額のことです。

都道府県によって異なりますが、例えば東京では月額報酬21〜23万円の人は、18等級で標準報酬月額22万円と定められています。

つまり、傷病手当金は最大で、受給開始日以前の1年間の平均月収の2/3を受給できます。 (参考:全国健康保険協会 「標準報酬月額・標準賞与額とは?」 )

ただし、傷病手当金の受給金額は保険加入期間で決まることに加えて、申込者の状況によっては金額が調整されることがあります。

傷病手当金を申請する流れ

傷病手当金を申請する流れは、以下のとおりです。

  • 医療機関を受診し、医師の診断書を取得する
  • 職場に病気やケガで休職することを報告する
  • 待機期間の3日間を過ごす
  • 必要書類を用意する
  • 書類を提出して職場に手続きしてもらう

傷病手当金の詳しい受給条件や金額・期間・申請の流れについては、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

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【パターン別】うつ病での傷病手当金のもらい方

この章では、うつ病で休職する場合に傷病手当金を受給できるかどうかについて、パターン別に解説します。

完治後に症状が再発した場合などで、2回目以降の申請ができるかについても紹介します。

(参考:厚生労働省 「第7回 こころの病で再休職した場合、傷病手当金を再度支給できる仕組みはあるの?」 )
  1. パターン①うつ病を原因に新規で申請・受給する場合
  2. パターン②最初の受給から、就労再開期間を除いて1年6か月以内の場合
  3. パターン③最初の受給から、就労再開期間を除いて1年6か月を過ぎていた場合
  4. パターン④最初に受給する原因となったうつ病が完治した後にうつ病を再発した場合、または別の病気・ケガ・障害がある場合

パターン①うつ病を原因に新規で申請・受給する場合

うつ病を原因に新規で傷病手当金を申請・受給する場合、受給条件を満たしていれば、申請・受給は可能です。

なお受給期間が通算扱いとなるのは、法改正後の新ルールが適用される2020年7月2日以降に支給が開始された傷病手当金が対象です。

パターン②最初の受給から、就労再開期間を除いて1年6か月以内の場合

最初の受給から、復職期間を除いて通算1年6か月以内であれば、同じうつ病が再発した場合でも再び傷病手当金を申請・受給できます。

パターン③最初の受給から、就労再開期間を除いて1年6か月を過ぎていた場合

最初の受給から、就労再開期間を除いて通算1年6か月を過ぎている場合、最初に受給する原因となった同一のうつ病を理由とする申請・受給はできません。

パターン④最初に受給する原因となったうつ病が完治した後にうつ病を再発した場合、または別の病気・ケガ・障害がある場合

最初に受給する原因となった同一のうつ病が完治した後にうつ病を再発した場合、または別の病気・ケガ・障害がある場合、再発したうつ病や別の病気・ケガ・障害を理由とする申請・受給は可能です。

ここで言う完治とは、通常の社会生活に復帰した社会的な完治を意味します。以下の場合は、社会的な完治とは認められません。

  • 本人が完治したと主観的に感じているだけの状態
  • 医師が完治したと診断しただけで、まだ社会生活に復帰していない状態

社会的に完治した後にうつ病を再発した場合、または別の病気・ケガ・障害がある場合、新規に受給できます。その場合の最長の受給期間は、再び1年6か月です。

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うつ病で傷病手当金を受給する際の注意点3つ

この章では、うつ病で傷病手当金を受給する際の注意点について解説します。

  1. 注意点①傷病手当金と失業保険(失業手当、雇用保険給付)は併用できない
  2. 注意点②傷病手当金と障害年金は併用できる
  3. 注意点③退職した場合も継続して受給できる場合がある

注意点①傷病手当金と失業保険(失業手当、雇用保険給付)は併用できない

傷病手当金は、退職前・在職中に就労できない状態の場合に利用できる支援制度です。

対して、失業保険(失業手当、雇用保険給付)は、退職後に就労できる状態の場合に利用できる支援制度です。

そのため、傷病手当金と失業保険(失業手当、雇用保険給付)は、同時期に併用できません。

ただし、時期に応じて切り替えて受給することは可能です。

具体的に気になる場合は、以下のような流れができそうか、ハローワークや加入している健康保険の協会・組合、支援機関などに確認しましょう。

  • 在職中に、傷病手当金を申請・受給して治療
  • 退職して働けないうちは、傷病手当金の受給を継続
  • 働ける状態になったら、失業保険(失業手当、雇用保険給付)を申請・受給

注意点②傷病手当金と障害年金は併用できる

障害年金は、求職しながらでも働きながらでも受給できます。

年金という名前ではありますが、高齢者だけではなく、20歳以上の人なら受給できます。また、病気やケガが治るまでは、生涯にわたって受給可能です。

傷病手当金と障害年金には、以下のような違いがあります。

  • 障害年金は、心身の状態が「障害の基準」に該当している間はずっと受給できる
  • 傷病手当金は、就労を再開したら受給が停止される。また、同一の理由による受給は最長で1年6か月
  • 障害年金は、国民健康保険の加入者も受給できる
  • 傷病手当金は、国民健康保険の加入者は受給できない
  • 障害年金は、その理由となる病気・ケガ・障害の初診日から原則1年6か月後から申請できる
  • 傷病手当金は、連続する3日間を含む、就労できず休んでいる4日目から申請できる

同一のうつ病を理由に傷病手当金と障害年金の両方を申請する場合、傷病手当金の受給金額の方が大きければ、障害年金との差額を受給できます。

障害年金の受給金額の方が大きい場合は、傷病手当金の受給はできません。 (参考:協会けんぽ 「障害年金との調整」 )

なお、差額の調整を行わずに傷病手当金と障害年金を同時に受給していた場合は、調整の上、傷病手当金を返還する必要があります。

その代わり、うつ病と認定された日からの分、障害年金が支給されます。両方の申請・受給をするときは、両方の申請先に必ず確認しておきましょう。

ただし、現実的には、それぞれの申請・受給の時期が異なるため、結果として調整前に両方の満額を受け取り、事後的・事務的に返還手続きを行うことはあるようです。

注意点③退職した場合も継続して受給できる場合がある

健康保険資格を喪失した退職後も、傷病手当金を継続して受給できる場合があります。

退職後も傷病手当金の受給期間があり、以下の条件を満たす場合、退職後も継続して傷病手当金を受給することは可能です。

  • 被保険者の資格喪失をした日の前日=退職日までに継続して1年以上の健康保険任意継続期間を除く被保険者期間があること
  • 被保険者の資格喪失をした日の前日=退職日時点で傷病手当金を受給している、または、受給条件を満たしていること

なお、退職日の前日までに待機期間を完成させても、退職日に出勤・就労した場合、継続受給の受給条件を満たさなくなるため、被保険者の資格喪失した日=退職日の翌日以降の傷病手当金の受給はできません。

また、資格喪失後に仕事ができる状態になったとき、再度仕事ができない状態になっても再受給はできません。注意してください。

退職後の傷病手当金の受給については、以下のコラムで詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

うつ病のある人が傷病手当金以外に利用できる支援制度

うつ病で利用できる可能性のある支援制度は、傷病手当金だけではありません。

例えば、以下のような支援制度が該当する可能性があります。

  • 失業保険
  • 自立支援医療制度
  • 障害者手帳
  • 障害年金
  • 労災保険
  • 特別障害者手当
  • 特別障害給付金制度
  • 心身障害者医療費助成制度
  • 生活困窮者自立支援制度
  • 生活保護
  • 生活福祉資金貸付制度

制度によって受給条件が大きく異なるため、実際にご自分が利用できるかについては、専門家に相談しましょう。

まずは主治医や、自治体の福祉窓口、自立相談支援機関などに詳細を確認するのがオススメです。

傷病手当金を含めて、支援支援を利用することは、決して恥ずかしいことではありません。

各支援制度を利用しつつ、経済的に安心して、うつ病の治療・休養に専念することで、次の1歩にも進みやすくなります。

うつ病で利用できる可能性のある支援制度については、以下のコラムでも詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

まとめ:うつ病で休職する際は傷病手当金などの支援制度を活用しよう

うつ病で休職した人、休職を検討している人は、条件に当てはまれば傷病手当金を受給できます。

また、傷病手当金以外にもうつ病のある人も利用できる支援制度はたくさんあります。

傷病手当金を含め、支援制度を利用することは決して恥ずかしいことではありません。活用することで、治療・休養に専念することが何よりも大切です。

医師や専門家、支援機関などと相談しながら、あなたに合う支援制度を探しましょう。

各支援制度を利用しながら治療も続けることで、うつ病の寛解や、就職や転職などの次の1歩も近づいてくるはずです。

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よくある質問(1)

傷病手当金とはどのような制度ですか?
傷病手当金とは、病気やケガ、障害のために仕事を休み、事業主から十分な報酬を受けられない場合に、健康保険(社会保険)の加入者・被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた支援制度のことです。詳細については、 こちら で解説しています。

よくある質問(2)

うつ病になり傷病手当金を受給したいのですが、どこに相談すればよいですか?

以下が考えられます。

  • お住まいの自治体の担当する部署・窓口
  • ご自身が加入している健康保険の窓口
  • 社会保険労務士
  • 職場の担当する部署・窓口

監修志村哲祥

監修キズキ代表 安田祐輔

監修角南百合子

すなみ・ゆりこ。臨床心理士/公認心理師/株式会社こどもみらい。

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